【社会保険労務士監修】外国人労働者のマネジメント方法vol.2



外国人労働者の雇用は増加

今後、日本の労働力が減少していく中で、企業の人材不足を補う為には、外国人労働者を雇用し、貴重な即戦力となって頂くことが重要です。コロナ渦により一時的に減少はしましたが、それでも尚、多くの企業では、外国人労働者の雇用が進んでいます。しかしそのような中で、外国人労働者との価値観の違いに悩むマネジメント層の方も多くいらっしゃいます。

前回外国人労働者との間で起こりうるトラブルを未然に防ぐための方法をご紹介しましたが、今回は、外国人労働者を受け入れるにあたって、会社全体で目指すべきサポート体制や社内でのマネジメント方法についてご紹介します。


外国人労働者のマネジメントの課題

厚生労働省の「外国人雇用状況」の届出状況によると、2020年10月末時点での外国人労働者数は 1,724,328 人で過去最高に達しており、様々な企業が外国人労働者を受け入れていることが分かります。[参照]厚生労働省 000728546.pdf (mhlw.go.jp)


しかし、一方で外国人を雇うことによりマネジメントに課題を抱える企業も増えてきています。パーソル総合研究所の『外国人部下を持つ日本人上司の意識・実態調査』によると、

日本人の上司の30%が、外国人の部下に対して「ノウハウがなく、手探り状態である」という回答をしております。また、外国人部下に対する想定外のギャップとして、以下のような意見が挙げられました。


・「自己主張が強かった」(46.1%)

・「日本の常識が通じなかった」(41.6%)

・「昇給の要求が強かった」(40.7%)


このように、日本人であれば自然に習得している常識が通じないことや、謙虚な日本人にはあまり無い権利の主張に驚いてしまうケースが多いようです。


しかしこれは、マネジメントを行う上司自身の資質だけの問題ではありません。受け入れる会社全体のサポート体制が不足している場合もあります。

同調査では、外国人部下を持つ上司の17.2%が「できれば今すぐにでも辞めたい」と回答し、外国人労働者の受け入れに関する研修や相談窓口などのサポートを受けていない割合が46.1%にも上っています。

[参照] パーソル総合研究所、「外国人部下を持つ日本人上司の意識・実態調査」結果を発表外国人に対するマネジメントについて、日本人上司の30%が「ノウハウがなく、手探り」 - パーソル総合研究所 (persol-group.co.jp)

このように現場のマネジメント層は外国人労働者との価値観の違いを感じており、マネジメントの仕方が分からずに手探りで行っており、疲弊している状況が浮かび上がります。


会社全体の受け入れサポート体制が必要

企業は、外国人労働者を雇用する際に様々な法律上の整備を行わなければなりません。

労働・社会保険の手続きをはじめ、労働安全衛生法に関連するものから、人事管理、教育訓練など、受入れに際し、様々なステップを踏む必要があります。

[参照] 厚生労働省:外国人労働者の雇用管理の改善等に関して事業主が適切に対処するための指針(抄) (mhlw.go.jp)


しかし現状のマネジメントの課題を踏まえると、こうした法的な整備だけではなく、社内のサポート体制を構築すること、つまりお互いの文化や価値観を学び、多様性を受け入れる研修を行うことも併せて必要になってきます。

「異文化理解力」(著者:エリン・メイヤー)によると、日本は、最もハイコンテクストなコミュニケーションを好み、遠まわしな表現で、空気を察することを相手に求める文化です。一方のアメリカやフランスは、ローコンテクストで、はっきりと自分の意見を主張することが求められる文化です。その為、空気を察するということ自体が社会の中で求められていないのです。このように国によってそれぞれの価値観が違うため、受け入れる日本側と外国人側双方にそれぞれの価値観を学ぶ研修の機会を設けると良いでしょう。


まとめ

今回は、企業の外国人労働者の受け入れの際に求められる社内のサポート体制についてご紹介しました。価値観の違う外国人労働者のマネジメントに悩む日本人は多く、日本の常識が通じないことや、謙虚な日本人にはあまり無い権利の主張に驚いてしまうケースが多いようです。

今後も外国人労働者数が増加していくことを考えると、企業は、法律上の整備だけではなく、多様性を意識した会社全体でのサポート体制を構築していく必要があります。

お互いの文化や価値観を学び、多様性を受け入れる研修を行うことで、お互いの落としどころを見つけ、社員全員が気持ちよく働ける就業環境作りに努めていきましょう。



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